10年の下積みを経て、、、新たな挑戦

2010年夏、私は京都御所のベンチに座って、物想いにふけっていた。

当時はサラリーマン。東京本社に勤務していたところ、意図しない人事異動で京都にやってきていた。「このまま、ここにいていいのか、、、」

気づけば、翌年早々会社を辞め、ニュージーランドに飛んでいた。ワインの名産地ホークスベイにある学校で1年間ブドウ栽培学とワイン醸造学を学んだ。ブドウ栽培の名匠ロビン・バックにも師事した。数千種類ものワインもテイスティングした。当時は今の日本ワインブームの胎動が起ころうとしていた黎明期。「日本最高峰のワインを造りたい!」そんな思いを胸に秘めた。

「良いワインはブドウ畑からできる」世界中のワインメーカーの中で共通するワインの格言。私もよいブドウのできる栽培適地を求め、日本中を調べ、信州高山村に辿り着くことができた。

全く見ず知らずのの土地、ゼロからのスタート。土地を見つけ、開墾し、ブドウの苗を植える。。。自然の力、栽培の現場は、たかだか1年間勉強した人間を打ち砕くのはとても簡単であるようだ。「迷った。混乱した、失敗し続けた。。。」あっという間の10年間。

ただ、色々あったが、学んだこともあった。「手をかけ、愛情をそそげば、よいものができる」こと。

10年のトキを経て今の想いは「ワインを造りたい!」から信州高山村で育まれたブドウを含めた農産物を使って「いろいろなお酒を造りたい!」に拡がりました。なぜなら、冷涼な気候と昼夜の気温差、様々な性質の土壌をもつここ信州高山村はブドウだけでなくリンゴや他のフルーツ、ナッツそしてホップの栽培適地であるから。

実現するには、単なる「ワイン醸造家」の殻を破り「醸造」そのものの造詣を深める必要がある。醸造経験の蓄積がいる。たゆまぬ学習もいる。ただ、ワインの仕込みは年1回。南半球に行っても年2回。場数が足りない。。。クラフトビールなら一年中仕込める。経験が積める!醸造の造詣を深められる!

根拠のない自信をもって、今回クラフトビール造りに乗り出します。

ブランド名は「TAMTAMブリューイング」。

何だかダサい?そう言わないで、乞うご期待です!